「死なないあるいは死ににくい細胞」は時間の流れに逆らって自己をリセットし、機能を回復させる能力を持っていると考えられます。この機構としては、おそらく細胞分裂時の細胞内物質の選別機構や不等分配、つまり質のいいものを選んで再利用し、逆に古くなったものをもう一方の細胞に押し付けて、「死なない細胞」の機能を維持していると考えられます。この選別機構の解明を行っています。
図の説明 出芽酵母は不等分裂により死なない細胞「娘細胞(上)」と寿命を持つ細胞「母細胞(下)」に分かれます。娘細胞は分裂により「リセット」が起こり若返りますが、母細胞は逆に老化が進み約20回の分裂の後、死んでしまいます。これと同様の不等分裂が動物の幹細胞の分化時にも起こっています。
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